こんにちは翼班長の露崎です。
パソコンを修理にだして返ってきてから10日でまた壊れてしまいました。。。これを書いたらまた修理に出します(笑)
後輩が書いた交流会資料を読んでくださった方は見られたかもしれませんが、リブと桁の接着剤を変更しました。交流会資料では軽く書いてたので詳しく書こうと思います。結構長いです。
スーパーXゴールドクリアを使っていましたが、一昨年、昨年とリブすべり(桁とリブの接着がはがれてしまうこと)に悩まされてきました。滑るからリブは壊れずに済むんだけどね・・・しかし3年目の今年はリブを1本も滑らせたくないと思い接着剤の変更を考えてきました。安全性が絡むことをテストもせずに変えることはできないので接着剤試験なるものをおこないました。スーパーXも昔、試験は行ったんだけどね。
スーパーXの前はアラルを使っていたのですが、混ぜることが負担ということと、重いということでなくなったようです。その頃はリブすべりも起きなかったとか。なるべく1液型を使いたかったので今回の試験では、スーパーXゴールドクリア、発砲スチロール用ボンド(通称ハポボン)、発泡スチロール用瞬間接着材UFOの3つで試験を行いました。
桁にリブもどきをつけてそこにおもりとしてペットボトルに水を入れたものを吊り下げ、何gでリブが滑るか、もしくは滑るより先にリブが破壊されてしまうかのテストを行いました。
これがリブもどきです。おもりをつるす場所はバルサで補強し、おもりによってスタイロがすぐ壊れないようにしました。
左の写真は模擬リブを固定した様子です。1種類の接着剤あたり4つのリブがサンプルとしてあります。なので12サンプル用意しました。
おもりをつけても桁が回転しないようにガムテープでしっかりと翼土台に固定しました。
試験中はこんな感じですね。ペットボトルにスズランテープをつけ、S字フックにかけるというWASAの荷重試験と同じようなやり方です。
この試験に用いたペットボトル(水入り)の重さは
A:74g B:130g C:245g D:412g E:601g F:805g と中途半端ですがまず6種類のおもりを準備しました。S字フックに掛ける式なので複数個同時におもりをかけられます。
これを用いて実験を行いました。
しかし、、、スーパーXとハポボンはすべてのおもりを掛けたところでスタイロが折れてしまいました。つまり2267gで折れてしまったのです。一方、(たまたま)UFOは折れませんでした。スーパーXとハポボンのスタイロが折れてしまったのは、おもりの力が左右に偏ってしまい、リブが滑る前にリブそのものがy軸方向に折れてしまいました。UFOはたまたままっすぐにおもりを吊るすことができたため大丈夫だったのだと思います。
このまま試験をしてもスタイロが折れるだけで無駄なので、少し変更しました。
おもりの数を減らすために大体2000g、1500gの二つのおもりを用意しました。そして、下の写真にあるように上側の両面をバルサでさらに補強しました。WASAが後縁材で使っているテーパー材です。こうすることで、y軸方向に強くなり試験が順調に行えました。
それぞれ2本目と3本目のリブはおもりで行い、残り1本は手で力を加えてみることにしました。
2本目スーパーX
2000+412+245 gまで問題なし。2000+245+412 gでリブすべり
断面はこんな感じです。
この感じだと滑ってるとは言えないですね。これくらいしっかりつけば安心できます。2500gほど耐えているので問題ないですね。なんで滑ることがあるんだろうか。。。
3本目スーパーX
とてもしっかりついていて、試験をしていて驚きました。4kg以上耐えるとは・・・
これはあまりにも重かったので、少しおもりが斜めになってしまったことによりy軸方向に折れてしまうことが再び起きてしまいました。
スーパーXの強さはわかりましたね。
なぜ滑ってしまうんだろう。。。
そして、4本目スーパーX
手で荷重をかけました。このリブにリブすべりの原因と思われるものが発生しました。
ス、スタイロの破片が桁に何も残っていない。。。
これです、リブすべりです。リブも割れてますが。
養生テープ側にスタイロが残っているところを見ると、原因は接着剤が養生テープ側にしかつかなかったと思われます。WASAではスーパーXでのリブ固定の時は、まずスーパーXをスタイロの固定する位置に塗り、そのあとスタイロを(養生テープのほうに)寄せて固定。という方式をとっている。そのため桁穴がきつめ(しっかり調整されている)であるとスタイロと桁の間には粘土が高いスーパーXは入り込みません。その結果、固定が弱くなり滑ってしまっていたのだろう。
反対側からも塗って盛れば大丈夫なんだろうけど重くなるしなぁ。
スーパーXのばらつきが大きかったのは接着不良になりやすいということかもしれないですね。
次、2、3本目ハポボン(これは軽くいきます)
2本目:2000+412+120 gまで耐え、2000+412+245 gで滑り
3本目:2000+412+805 gまで耐え、2000+1500 gで滑り
一部滑ってますが全体的についている印象でした。しかしスーパーXよりは強度がなかったかなと。
4本目も、しっかりついているスーパーXと同じような感じでした。
最後にUFO
UFOは他の2本と違い、粘性がなく水っぽいです。なので、桁穴がしっかり調整してあるリブでもスタイロにしみこんでいきました。そして、軽い。
2本目:2000+1500+412 gまで耐え、2000+1500+805 gで滑りました。
3本目:2000+1500+130 gまで耐え、2000+1500+245 gで滑りました。
手前に少し滑ったような感じがするものの全体としてしっかりついている印象です。
最もばらつきは少ないですね。写真を見るとスタイロは左側に多く残っています。これは、UFOはスタイロを固定する位置に持ってきてから、養生テープと反対側(向かって左)から流し込んで使用するため左側の接着が強かったということです。
4本目は手で荷重を加えたのですが、とても強固についていて班員みんな驚きました。
データは以上ですね。まとめると
スーパーXの限界の平均は3546 g
ハポボンの限界の平均は2874.5 g
UFOの限界の平均は3771 g
その結果ばらつきが少なく強度もあり軽いということでUFOを使うことになりました。UFOはこの試験では片側からのみ流し込みましたが、本番では反対側からも流し込みさらに強固にしてます!これでさすがに滑らないでしょう!桁穴の緩いものはリブピッチ精度にも影響が出ますし本番ではつくり直しをしたり、スーパーXを一部で使うことも考えてはいますね。
今回の試験では、データがしっかりとれたものが2サンプルしかなく、さらに斜めに荷重がかかってしまったので、どの程度正確かはわかりませんが、同じ条件なので比較はできるでしょう。もし、試験の方法、接着材でいいものがあればぜひ教えてください!
次のブログ更新ではUFOの使用方法などについて書こうと思います。
15執行代(31代)翼班長 露崎 活人