回転試験報告&駆動部紹介

こんにちは。駆動フレーム班のなかむらです。

エンドミルの追悼の続きも書かないと思っているのですが、それはまた次の機会で…

先日行われた回転試験について報告します。今年新規製作した駆動部と去年からの流用のペラハブの動作確認を目的に行いました。回転数計も実装する予定でしたがフォトインタラプタの不良により今回は見送りました。結果は締め付け時のネジの破損やレンチが抜けないなどのトラブルは発生しましたが試験自体は成功しました!駆動設計としては一安心です。急制動時などのチェーン落ちなど改善点も見つかったので次回の回転試験までに対策していく予定です。

WASA三年目のねじりチェーンは今までと大きく構造を変更したので紹介したいと思います。去年は一昨年の流用にも関わらずチェーン落ちに苦しめられたので今年の駆動部はチェーン落ちしない設計の確立をコンセプトにしています。なんとなくで決める設計箇所をなるべく減らし、来年以降の再現性を重視しています。そこで去年チェーン落ちが起きたところとその理由を自分なりにまとめました。

(1)下ギア入口:上からチェーンがまっすぐ降りてきていない。上下駆動間距離が短く、1ピッチ当たりのねじれ角が大きい。

(2)下ギア出口:テンショナー張力が弱い。テンショナーまでの捻りや曲げが強すぎる。

(3)テンショナー:チェーンの脈動でプーリーから外れる。急制動時にペラの慣性力で通常とは逆に引っ張られる。

これらの原因を1つ1つ解決していきました。まずどの場所でも問題になるチェーンラインを今年は正確に設計しています。下の写真が今年のチェーンラインです。

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横から見るとテンショナーより上は降りてくるチェーンと昇るチェーンが重なり、下はチェーンリングのPCD(Pitch Circle Diameter)と同じになっています。前から見るとテンショナーより上は上スプロケットのPCDと同じ幅でおろし、下ではチェーンが重なって見えます。(調整前の写真なのでずれてます…)これを再現するためテンショナーがこれです。

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プーリーサイズを変えることでギア比を変更した時も上記のチェーンラインを維持できます。2つのプーリーの真ん中を支点にしてテンショナーを回転させることでチェーンラインを大きく変えることなくテンションをかけることができます。やけに角が出ているのはバネのモーメントアームを稼ぐためとチェーンがテンショナー付近で暴れるのを防ぐためです。鳥コン出場の際は安全面を重視しデザインを変更するつもりでした…

テンショナーの上下位置はチェーンのねじれ角に合わせてつけています。上から見るとテンショナーが約30度くらい斜めになるので下から駆動間距離の1/3のところにつけることで無理な捻りも無いです。今年は駆動部を前につけてただでさえフェアリング設計に迷惑をかけているのにこれにより更に難しくなっています…ゴメンナサイ。

長くなってしまいましたが最後に重量だけ書いておしまいにします。上駆動部(シャフト込み)570g、 テンショナー120g、下駆動部(クランク・ペダル込み)1100g、チェーン424g、計2214g です。 クランクやペダルをこだわれば2kg切れるかなーと思ったり。

以上、設計図面などはご連絡いただければお渡しします。

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