SkyScraper紹介!! +三面図・XFLR5ファイル等公開

皆さんこんにちは!設計の森田です。
さてさて、新年2回目の更新は…

私たちの機体「SkyScraper」紹介記事です!

PDF 形式の三面図!

WASA2013_SkyScraper三面図

そして、三次元空力解析ソフト 「XFLR5」のデータも公開します!

SkyScraper_XFLR5

この機体の特徴は端的にいうと

  • TTのくせにデカい!でも速い!
  • 主翼の肉抜きはない。でも軽い!
  • パイロットが重量級なのに必要出力が低い!

です。

このブログでも時々書いてきましたが、WASAの今までの機体に多くの改良が施され、まったく違う様相を呈する程にまでなったのが、この機体なのです。

まず…

思想の洗練

この機体がなぜ大きいのか。それはただただ今の小型TT機との対比を狙った訳ではありません。そこには思想が存在します。
TTはいかに速く、美しく旋回を決めるかが勝負です。
よく「旋回は小さい機体の方が有利だ」という話を聞きます。確かに小さい機体の方が有利です。
しかし解析により、「スパンの大きさそれ自体はスパイラルダイブに大きくは関係しない」という結論を得ました。
それより問題になるのは、旋回時に低下するパイロットの出力。
そこで機体を低出力で飛ぶように設計してやることで、アップライトでの計測では最大500Wを出力するパイロットの力をフルに引き出せると考えました。
非常に低出力で仕上がったため、パイロットの出力の観点から見ると最大速度12m/sは堅いと考えています。

そのために…

設計プログラムを(ほぼ全部)書き換えた。

今までのプログラムは空力は空力、構造は構造、と独立していました。しかしそれでは双方の最適化は難しいものとなります。
そこで、空力の段階で構造に配慮した設計がしやすいように統合したプログラムを開発しました。
他にプロペラも渦法のプログラムから、より一般的なLarrabeeの方法を用いてプログラムを書き換えました。
詳しくはこちらの資料参照→2012OB報告会_設計

続いて…

単桁になった。

今まで用いていたリアスパーを廃しました。リアスパ分およそ2.5kgの重量削減になりました。
それでは前後方向の桁の剛性が足りないと思う方もいるかもしれません。
しかし大径の桁のおかげで十分な剛性を得ることが出来ると考えています。

そして…

スポイラが軽い

電装を除いて両翼200g以下です。エルロンより全然軽いと思っています。

さらに…

三輪で(とっても)大きなタイヤになった。

TFがとってもしやすくなります。この製造に、導入したCNCが火を噴く予定です。

他にも、フライトシミュを設計に導入したり、いろいろな翼型を研究してDAE翼型を全く使っていなかったり、多くを変更しています。
一から構造、製作工程を見直し、今までのもので良いところはそのまま、変えるべきところは変えていった結果がこの

SkyScraper

なのです!。

現在、主翼は中央翼、内翼、外翼、第一最外翼、第二最外翼のうち、中央・内翼のリブ固定まで終了しています。

フレーム駆動系は、もう少しで、コクピットの組み立てが完了する予定です。下の写真の状態ではあと、パテを盛って積層するところまできています。

モヤモヤが入っているのはとある人物の携帯カメラだから…

養生テープもってピースしてる人物は誰なんでしょうね?(笑

このときテール①パイプ(まだ継いでいない)も着けてみました。左右部分積層の効果が実感できました!(ピッチ方向、柔らかい。ヨー方向、硬い)

ということで雲のかかっていない写真でのフレーム。今年度から後ろパイプが斜めになったのが特徴です。

プロペラは試験飛行用を製作中です。この冬休みで、表面処理まで入っています。

フェアリングも試験飛行用を制作中です。基本的には三面図にある形です。本番用は、これに修正を加えてより洗練されたものとなります。

尾翼も、本番翼を製作中です。

私たちは2月後半から3月中旬の試験飛行開始を目標に、製作を進めています。

今年度の私たちはひと味違います。これからも是非私たちの活動にご注目下さい!

新年のご挨拶&機体名発表&初詣

明けましておめでとうございます

2013年初めてのブログ更新を担当させて頂きます、チーフのSatです。

年初めの文章で「昨年は~」っていうのありますよね。それをやろうと思います。

昨年はこちらをどうぞ。

はい。

鳥コンです。
第36回鳥人間コンテスト2013!
Japan International Birdman Rally

この大会のタイムトライアル部門出場・優勝を目指す、2013年度機体の名前を発表したいと思います。

遥かに聳える摩天楼のように….その翼は空を切り裂く…その名も…

「SkyScraper」

この機体名は2013年度設計者の森田が半年間を費やしてコソコソコツコツと書き続けたHPA統合設計プログラム「SkyScraper」が由来となっています。
設計者が行った必死のマーケティングが浸透した結果、機体名投票でほかの候補を抑えて、決定しました!

他に最終投票まで残っていた候補は次の通りです

  • Endevour
  • Odyssey
  • Phoenix

どれも個人的にはアリだと思ってたんですけどね。あと、なぜか横文字の名前ばかりでした(笑)

さて、今日はちょっと遅れた初詣に行ってきました。
場所は明治神宮!

ここで写真が出てくるのが普通なんでしょうが、撮り忘れました(ノ∀`)テヘ

お正月三ヶ日はものすごい人だったようで

明治神宮

今日はこの数十分の一程度の人だったのでゆっくりと落ち着いて参拝できました。
忘れちゃいけないのが絵馬!かわいい蛇さんですね

絵馬2013巳年

他の人の絵馬を見回してみると、合格祈願、家内安全、商売繁盛といった定番ものはもちろん、
ロシア語、アラビア語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語と言語も様々。

その中でも特に目を引いたのがこれ!!

そらおとべますように

「そらおとべますように」
良いですね!飛びたい!!素晴らしい!!
是非とも叶えてもらいたいものです。

せっかくなのでWASAの絵馬をここに掛けさせてもらいました!
一緒に飛べたらいいな!

WASA絵馬2013

目標はもちろん

優勝!

そして誰もケガせずに過ごせればいいなと。
(実は…今日が4日だと思ってました、4thってなってます。学校に行かないと曜日感覚がおかしくなりますね。いや、冬休みがあと一日しかないなんて認めたくないと無意識に書いたに違いない…)

隅にしゅよっくん(@M_wings)もいます。
鳥クラスタではすっかり人気キャラになったようで。しゅよっくんグッズ構想なんてのもあるとかないとか…

最後になりましたが、今年度の抱負を。
今年のWASAのテーマは
「子曰温故而知新可以為師矣」
温故知新だと思います。

SkyScraperは例年よりも多くの改良を施した機体となっています。(詳しくは次の記事で)
変化は大きいですが、それはWASA OB/OGのみならず、人力飛行機に携わってきた方々が残してくれた知識、経験、知恵に裏付けされた進化であり、ただ闇雲に変化しただけではありません。
先人達への感謝と敬意を忘れることなく活動していきたいと思います。

2013年がWASAにとって素晴らしい年になりますように。

29代チーフ Sat