皆さんこんにちは!設計の森田です。
さてさて、新年2回目の更新は…
私たちの機体「SkyScraper」紹介記事です!
PDF 形式の三面図!
そして、三次元空力解析ソフト 「XFLR5」のデータも公開します!
この機体の特徴は端的にいうと
- TTのくせにデカい!でも速い!
- 主翼の肉抜きはない。でも軽い!
- パイロットが重量級なのに必要出力が低い!
です。
このブログでも時々書いてきましたが、WASAの今までの機体に多くの改良が施され、まったく違う様相を呈する程にまでなったのが、この機体なのです。
まず…
思想の洗練
この機体がなぜ大きいのか。それはただただ今の小型TT機との対比を狙った訳ではありません。そこには思想が存在します。
TTはいかに速く、美しく旋回を決めるかが勝負です。
よく「旋回は小さい機体の方が有利だ」という話を聞きます。確かに小さい機体の方が有利です。
しかし解析により、「スパンの大きさそれ自体はスパイラルダイブに大きくは関係しない」という結論を得ました。
それより問題になるのは、旋回時に低下するパイロットの出力。
そこで機体を低出力で飛ぶように設計してやることで、アップライトでの計測では最大500Wを出力するパイロットの力をフルに引き出せると考えました。
非常に低出力で仕上がったため、パイロットの出力の観点から見ると最大速度12m/sは堅いと考えています。
そのために…
設計プログラムを(ほぼ全部)書き換えた。
今までのプログラムは空力は空力、構造は構造、と独立していました。しかしそれでは双方の最適化は難しいものとなります。
そこで、空力の段階で構造に配慮した設計がしやすいように統合したプログラムを開発しました。
他にプロペラも渦法のプログラムから、より一般的なLarrabeeの方法を用いてプログラムを書き換えました。
詳しくはこちらの資料参照→2012OB報告会_設計
続いて…
単桁になった。
今まで用いていたリアスパーを廃しました。リアスパ分およそ2.5kgの重量削減になりました。
それでは前後方向の桁の剛性が足りないと思う方もいるかもしれません。
しかし大径の桁のおかげで十分な剛性を得ることが出来ると考えています。
そして…
スポイラが軽い
電装を除いて両翼200g以下です。エルロンより全然軽いと思っています。
さらに…
三輪で(とっても)大きなタイヤになった。
TFがとってもしやすくなります。この製造に、導入したCNCが火を噴く予定です。
他にも、フライトシミュを設計に導入したり、いろいろな翼型を研究してDAE翼型を全く使っていなかったり、多くを変更しています。
一から構造、製作工程を見直し、今までのもので良いところはそのまま、変えるべきところは変えていった結果がこの
SkyScraper
なのです!。
現在、主翼は中央翼、内翼、外翼、第一最外翼、第二最外翼のうち、中央・内翼のリブ固定まで終了しています。
フレーム駆動系は、もう少しで、コクピットの組み立てが完了する予定です。下の写真の状態ではあと、パテを盛って積層するところまできています。
モヤモヤが入っているのはとある人物の携帯カメラだから…
養生テープもってピースしてる人物は誰なんでしょうね?(笑
このときテール①パイプ(まだ継いでいない)も着けてみました。左右部分積層の効果が実感できました!(ピッチ方向、柔らかい。ヨー方向、硬い)
ということで雲のかかっていない写真でのフレーム。今年度から後ろパイプが斜めになったのが特徴です。
プロペラは試験飛行用を製作中です。この冬休みで、表面処理まで入っています。
フェアリングも試験飛行用を制作中です。基本的には三面図にある形です。本番用は、これに修正を加えてより洗練されたものとなります。
尾翼も、本番翼を製作中です。
私たちは2月後半から3月中旬の試験飛行開始を目標に、製作を進めています。
今年度の私たちはひと味違います。これからも是非私たちの活動にご注目下さい!