ペラゲージ爆誕

どうもこんにちは,ペラ班長の大矢です.

今回は新たなペラの仲間のご紹介をします.

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ペラゲージちゃんです♡.かわいすぎて3枚パシャリ♡

材料は

アルミ構造材(SUS株式会社製)

3mm厚アクリル板

で,一から作ると合計2万程度の費用がかかります.ただしアルミ構造材は昨年度のものを一部使いまわしているため、今年は8000円で作ることが出来ました。

板の切り出しはこれも今年から新たに導入されたレーザー加工機によってこれ以上ない精度が出ています.

画像のようなCADデータを投げるとそのまま切ってくれるのです.本当にレーザー加工機は偉大です.

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さて,今回はこのゲージの製作記を書こうと思います.

まず,一番最初にゲージ製作の際に頭を悩ませたのは

どのようにして各リブ番号のゲージ板の基準を揃えるか,そしてどのようにして角度を揃えるかです.

従来の方法だと,買ってきた板の端から10cmのところに線を引き,その線に図面の縦線と図面の紙の下端と板の下端を合わせることによって,各板の基準とリブピッチを合わせていました.

分かりづらいと思ったので解説画像を雑ですが作ったので貼ります.灰色のやつは板です。(お絵かきはsolidでやりたくなってしまいますね)

すっちーぼ

 

これをレーザー加工機を使ってどうやればいいのか悩みました.

当時はレーザー加工機を使ったことが無かったので,0点出しはできるのかなとか,どうすれば決まったところに翼型を切り出せる(端から決まったところに翼型を切り出すという意味)かなとか,どうすれば製品時の板の角を利用できるかな等悩みました.

しかしこれはとても簡単に解決しました.

ペラ桁から+x方向に何ミリ,-x方向に何ミリ,-y方向に何ミリと指定してそのまま板の形で切り出してしまえば良いのです.(今年は+x方向に70mm –x方向に180mm –y方向に100mm)

つまりこの記事の4枚目画像のように板ごと切り出してしまえば良いという結論に至りました.

この記事を見ている人は「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが,既存の方法が頭に入っていると当たり前のことでも思いつかないものです.ちなみにこれは前設計者のアイデアによるものです。

そして,次の問題が予算です.アクリル板はとても高いです.

大体ゲージ1枚あたりの寸法は250×250(mm)です.

学校に置いてあるレーザー加工機で加工できる板の最大は305×610(mm)です.

ネットで売っているアクリル板でこのレーザー加工機に入る板の寸法は

300×450(mm)(600円)です.

1枚あたり1枚のゲージを切り出すことが可能ですが,大量の無駄なアクリルが生まれてしまう上に,切り出すゲージ板が27枚ということを考えると,

アクリルだけで1万6200円になってしまいます.

なので大きいアクリル板915×1820(mm) (4470円)を買いそこから9枚の300×600(mm)のアクリル板をパネルソーを使って切り出すことで,約1万円の予算削減をしました.

また,切り出し方を図のように工夫することによって9枚で2枚全てのゲージを切り出すことができたうえに,積層後に前縁の精度を見るために用いる前縁ゲージの製作も可能になりました.これは芝浦工大の方に教えていただいたものです.本当にありがとうございました.

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そして前縁ゲージ

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精度の高いゲージと前縁ゲージが5000円でできるなら安いと思いました.

 

このゲージによってできるようになったことがたくさんあります.

まずは,以前から僕の記事で何度も言っているリブ接着時のリブ間のズレを引き起こす過去何年も行われてきたあの忌まわしき線引きが廃止されました.

従来はマスターを図面の線にそって貼っていたのですが,マスターをゲージ基準で貼ることにより「線引きを廃止」しました.

画像のような感じです.

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これにより「リブの生産効率が向上」しました.線引きにかかる時間がなくなったためです.今年は約2倍の速度でリブが生産されています.

また,「スタイロが節約可能」になりました.失敗したリブからそのリブより小さいリブを生産することが可能になったり,マスターを詰めて貼ることができるようになりました.

そして何よりも「リブ接着段階でのズレがゼロ」にできます.リブがゲージ基準でできているので,接着時はゲージにいちいち合わせる必要がなくなります.リブ端面を合わせるだけで設計通りのピッチになります。

リブ間のズレがなくなることにより「使うパテの量が減少し軽量化」することができます.

おそらく100g弱は軽量化することができるようになると思います.

そしてさらに「後縁が綺麗に整形可能」になりました.ゲージ板は後縁まで完全に残っているので,積層したプロペラをこのゲージに乗せると,どこまでリブが入っているのかが一目瞭然となり,ゲージに沿って後縁をやすることで,設計通りのプロペラを製作することができるようになります.つまりゲージを後援のガイドにするのです.

ゲージちゃんは改良案もすでに出ているのでまだまだ進化します!楽しみです!

おそらくこのゲージは,WASAのプロペラに大きな変化を与えるものだと僕は思っています.

早く完成したプロペラが見たいですね!

以上ゲージ製作記でした!!

このゲージに興味を持たれた方、ぜひこのゲージを見に作業場に来てください!

 

最後に今後のプロペラ班の予定です.

・CNCを用いたマスター製作

・ホースバンドを廃したペラハブの設計

・試験ペラの製作、11月積層予定

以上に関してもブログを更新する予定なので,その際はぜひ御覧ください.

長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました.

 

WASA 31代 プロペラ班長 大矢

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